酢漬けした魚はなぜ表面が白っぽくなるのは?

あっつん

こんにちはあっつんです!

皆さんは鰯などの魚の酢漬けを作ったことはありますか?

鰯などの足が速い魚はお酢でマリネする事で酢の殺菌効果で長期保存が効くようになり、冷凍技術が発展していなかつた頃に重宝されていました。

※足が速い→魚の身が腐ったり痛んだりするのが速いことを表します。

あっつん

さてでは魚の酢漬けはどのようにするのか知っていますか?

酢漬けは1度塩で締めた後にお酢で締めるんです!

実は魚は初めに塩でしっかり締めておかないと身がしっかり締まらないんです!
その理由は魚のタンパク質が関係しています!

今回の記事では『酢で締める前になぜ塩で締めるのか?』『酢で締めるとなぜ魚の表面は白っぽくなるのか』を解説していきます。

あっつん

Instagramのリール動画にて鰯の手開きから酢締めまでのやり方紹介してますので
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酢漬けした魚の表面が白っぽくなるのはなぜなのか?

あっつん

魚の表面が白っぽく変化するのは酢に漬けることによって魚肉が変性をおこすからです!

変性とは?

肉が焼けることや卵が固まるなどはタンパク質の変性によるものです。
タンパク質は立体的で規則的な構造を保持しています。ところが加熱などの作用によって
その構造が崩壊します。
この様なタンパク質の構造が崩壊することを『変性』と言います。
タンパク質は変性によってお互いに結びついて固くなります。
加熱の具合によってはゲルになって柔らかく固まったりします!(※半熟卵など)
『変性』は加熱・凍結・・アルカリ・加圧などの作用によって起こります。

魚肉の主な成分はタンパク質です。変性で代表的な現象は熱による変性です。
熱の作用によってタンパク質の分子の形が変化するものです。上記でも記載していますが、この変性は熱以外でも起こります。例えば、酸を加える事でもこの現象は生じます。これが酢付けですね!

魚肉に酸を加えると中の水素イオンがプラスの電気を帯びており、これがタンパク質の分子を持っているマイナスの電気を中和します。そこでそれまでマイナス同士互いに反発していたものが引き寄せ合う様になる変化が生じます。

あっつん

そのため魚肉は細胞内で水に溶けてコロイド液の状態であったタンパク質のある種のものが水に溶けなくなり、白く細かい粒子が集まった状態になります。
なので魚を酢漬けすると白っぽくなるんです!
※この現象は魚のみならず肉などにも起こります!

魚を酢付けする前に塩で締めるのはなぜなのか?

あっつん

魚を酢漬けすると前半に述べたようにお酢の作用によって魚肉内のタンパク質が変性を起こし、凝固します!
実はこの際の反応を酢のみを加えた場合は中性よりも少しだけ酸性に生じた時に強く反応が起こります。しかしながらこれより酸性が強くなると膨潤し、凝固しずらくなります。

しかし最初に塩で締めた魚肉の場合は大きく反応が異なります!
あらかじめ塩を加えると、魚肉内のタンパク質に食塩水が溶け込んだ形になり、全体がやわらかいゲルになります。
この状態の魚肉には酢を加えて強い酸性になった場合でも、凝固しやすくなります!
なので魚を酢で締める場合は先に塩で締める必要があります!

他にも理由はありますが、簡単にわかりやすく塩と酢による効果をまとめると!

塩漬けによって余分な水分を抜き、タンパク質が固まりやすい状態にします。次にお酢に漬ける事で魚肉の表面のタンパク質を酸によって変性させます。この過程の中で魚肉の表面の塩分がお酢で少し薄まり酸性プロテアーゼがわずかに働き出してタンパク質が少量分解され、固くなった身が脆くなり独特の歯切れの良い食感に仕上がります!

コロイドとは

本来は溶け合わない成分の一方が、直径1~100μほどの大きさで他方の成分内に分散している状態のこと。
例えば牛乳の場合、牛乳内の脂肪を顕微鏡で除くと、脂肪なので水には溶けてはいない状態ですが、極めて細かい状態になって牛乳内に均一に分散していますね。
プラスで粒子が運動できるものは『ゾル』、運動できないものは『ゲル』と言います。分かりやすい例で言うと卵白は『ゾル』で加熱の作用によって変性を生じると『ゲル』になります。

お肉の加熱による『変性』の記事はこちらから!⇩

【プロが教える】化学的解説!肉に含まれるタンパク質が原因!?なぜ肉が硬くなるのか。

まとめ

お酢と魚について理解してもらえましたか?より多くの『食』の知識を付けることで料理がもっと楽しく、美味しくなります!

このサイトを通じて少しでも皆さんの『食』のお手伝いが出来たら幸いです!!!

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